薪おじさん講座
薪ストーブ用語辞典
暖炉や薪ストーブに関する言葉には独自のものが多く、日頃耳慣れた言葉でも、ここでは特別な意味を持つものもあります。
そうした暖炉や薪ストーブに関する言葉を50音順にまとめました。
- アックス(Axe)
-
斧のこと。薪づくりでまず必要になる道具。
刃先にある程度の厚みがあり、それなりの重さのあるものが薪割りに向く。サイズや重さ、柄の長さなどが自分に合ったものを選びたい。 - 一次燃焼
-
ストーブ内で起こる最初の燃焼。
この一次燃焼で薪が完全に燃焼することは少ないため、二次燃焼装置によって未燃焼のガスを再度燃やすシステムになっていることが多い。 - ウォーミングオーブン
-
クッキングストーブのパーツ。
煙突やホットプレートからの余熱を利用し、料理の保温や食器の温め、食品の発酵や乾燥などを行う。 - ウォーミングシェルフ
-
薪ストーブのトップ脇やクッキングストーブのホットプレートの脇などにある棚状の部位。オプションで取り付ける機種も多い。
ストーブの余熱を利用して料理の保温などができる。また、ウォーミングシェルフに取り付けるポールを利用すれば手袋などの乾燥もできる。 - ウッドバスケット
-
薪を入れるバスケット。
薪ストーブの近くに置いて数日分の薪を保管しておくのに便利。 - 埋め込み型
-
ビルトインタイプ
- エアコントロール
-
火室内に取り入れる空気量を調節するノブ。
- エアタイトストーブ
-
ローディングドアを閉めると密閉されるタイプの薪ストーブ
- 煙室
-
スモークチャンバー
- 煙道
-
暖炉の煙の通り道。
十分な吸引力が得られるように一定の長さが必要になる。
燃焼ガス自身の熱で上昇するため、煙道の断熱が必要。 - 煙道火災
-
煙突内部に付着したタールに引火して燃え上がる現象。
なるべくタールが煙突内に留まらないようにストーブを適切に使用するとともに、煙突掃除などのメンテナンスを怠らないことが大切。 - 煙突
-
燃焼のために取り入れた空気を燃焼後に屋外に排出する装置。
シングル・二重・三重などの種類があり、材質、太さ、施工の仕方などでストーブの機能を左右する重要なパーツ。
ストーブ本体と同程度に大切なものなので、設置にあたっては慎重を期したい。 - 煙突掃除
-
薪ストーブや暖炉を快適に使用するために欠かせないメンテナンス作業。
煙突内に付着した煤(すす)やタール、クレオソートなどをきれいにする。ストーブの使用状況にもよるが年に1回程度は行いたい。 - オーバニング
-
火を焚き過ぎた状態のこと。
薪がムダなばかりでなくストーブを傷める原因にもなる。 - オーブン
-
クッキングストーブの主要パーツのひとつ。
輻射熱でふっくらと焼き上げる。 - おき
-
薪の燃焼時の状態で、赤く炭火のようになり炎を出さずに燃えている状態。少ない空気で大量の熱を発するため、ストーブにとってはベストな燃焼状態といえる。
- 開放式
-
暖炉式
- 火室
-
ファイアーボックス
- 壁出し
-
煙突の施工の種類で、煙突を壁に通して屋外に出す方法。
- カロリー
-
熱量の単位。暖房能力を示す単位として使われる。
- 含水率
-
薪がどれだけ水分を含んでいるかを示す割合。
薪の乾燥程度を表すのに使われる。 - 完全燃焼
-
酸素が十分に供給され、燃えるべきものがすべて燃え尽くした状態。
完全燃焼に近づくほど熱効率が上がり、排気ガスもクリーンになる。 - 間伐
-
森林を維持していくために密生している木の一部を切ること。
間伐された木材(=間伐材)を薪として使うことは森林保護につながる。 - 楔(クサビ)
-
薪割りに使う道具。堅い、節があるなど、アックスでは割りづらい木でもクサビを打ち込めば割ることができる。また、細かい薪をつくるのにも便利。
- クッキングストーブ
-
暖炉に加えて調理も目的とした薪ストーブ。
ホットプレートやオーブンをはじめ機能を満載したものからシンプルなものまで、タイプはいろいろ。 - クリーンバーン方式
-
二次燃焼方式のひとつ。
(「クリーンバーン方式」と「触媒方式」の2種に分けられる)
薪が燃焼することで発生する煙の中に含まれる不純物などを、再び燃焼させることでクリーンな排気を実現するシステム。
クリーンバーンパイプを採用したタイプが主流で、高温の空気を吹きかけることで煙を再燃焼(二次燃焼)させるタイプ。 - クレオソート
-
薪に含まれる水分やヤニが、燃焼する過程で煙道に付着する黒褐色の液体。煙道火炎の一因ともなる。タールとほぼ道義で使われる。
- 煙棚
-
煙突や煙道からの下降気流をファイアーボックスへ逆流させないための棚。煙返しともいう。
- 鋼板
-
薪ストーブの素材として鋳鉄に次ぐ存在。
曲げ加工が容易なため、シャープでモダンなデザインが楽しめる。熱伝導率が高く、暖まりやすく冷めやすい性質をもつ。 - 広葉樹
-
幅の広い葉をつける樹木の総称。
日本の天然材に多い樹種。ナラ、クヌギ、リンゴなど、薪に適した木は殆どが広葉樹。 - コンバスター
-
一次燃焼での未燃焼ガスを再度燃焼するにあたって、燃焼をより完全なものにするための触媒装置。
陶器に白金ラジウムなどをメッキした蜂の巣状のパーツ。
ストーブによっては付いていないものもある。
- サーモメーター
-
温度計。本体に元々付いている場合と、マグネットで取り付けるオプションタイプがある。
- 三重煙突
-
煙突の筒が三重になっているもの。
ふたつの層に断熱材と空気が充填されているものと、二重の断熱・空気層のものとがある。 - シーリング・ファン
-
天井に取り付けるファン。
上部に溜まった暖気を拡散させ、部屋じゅうに行き渡らせる働きがある。 - 遮熱板
-
ヒートシールド
- 自由煙突
-
伸び縮みする煙突。
施工やメンテナンスの際の煙突の取り外しが容易にできる。 - 触媒方式
-
二次燃焼方式のひとつ。
(「クリーンバーン方式」と「触媒方式」の2種に分けられる)。
薪が燃焼することで発生する煙の中に含まれる不純物などを、再び燃焼させることでクリーンな排気を実現するシステム。
キャタリティックコンバスターを利用し化学反応により煙を再燃焼(二次燃焼)させるタイプ。 - シングル煙突
-
煙突の筒が一重のもの。
断熱性が低く煙突内にタールなどが付着しやすいため、できれば二重以上の煙突を使用したい。 - 針葉樹
-
マツやスギなど、針のように細長い葉をもつ木の総称。
日本では植樹された人工林には針葉樹が多い。着火は早いが火持ちが悪く、燃やすとクレオソートが発生しやすいため、薪にはあまり適さない。
※最初の火付けのために使用するのが普通。 - 据え置き型
-
フリースタンディングタイプ
- スターター
-
焚きつけ
- スティーマー
-
ストーブの上面。
上蓋として開閉できるものもある。平らなものはケトルや鍋が置ける。 - スモークチャンバー
-
暖炉の煙の吸い込み口から煙道までの部分。
排気ガスを煙道からの下降気流を焚き口に戻さない働きもする。煙室ともいう。 - スロート
-
暖炉の炉囲いの下端から煙棚までの部分。
煙をスムーズに煙道へと導く役割がある。
- タール
-
薪の燃焼過程で発生する有機ガスが液状化したもの。
黒色でネバネバしており煙道に付着する。煙道火災の原因ともなるので、正しい使い方とメンテナンスでなるべく付着させないように。 - 台座
-
薪割りの際に薪を置く台。
割りやすい高さに調節すると同時に、アックスの刃先の保護も兼ねる。 - 対流式
-
薪ストーブの構造面からみた分類のひとつ。
ファイアーボックスの外側をさらにもう一層囲み、その間の暖められた空気を室内に送り出す構造。薪ストーブ本体が熱くならず安全だが、輻射式に比べると室内を暖めるのに時間がかかる。 - 焚きつけ
-
着火の際に使う薪。スターターともいう。
細い薪の方が火を起こしやすいため、焚きつけ用に細かく割った薪を用意しておくとよい。
針葉樹は燃えやすいため、焚きつけ用には適している。 - 玉切り
-
チェンソーを使い、丸太をストーブに合わせて適当な長さにカットすること。薪割りの前段階の作業。
- ダンパー
-
薪ストーブや暖炉の本体、もしくは煙突に取り付ける燃焼用空気の通風調節弁。ダンパーの開閉により燃焼状態を調節することができる。
- 暖房能力
-
一定時間内にどれだけの熱エネルギーを発散できるか、つまりどれだけ空間を暖められるかを示す目安。設置条件にも左右されるが、一般に1万kcalで20~25坪が暖められるとされている。
- 暖炉式
-
薪ストーブを構造面からみた分類のひとつ。
暖炉のように前面に開口部があり、燃焼による熱が直に、または側面に反射して伝わってくる。炎を直接眺められる反面、熱効率が低い。開放式とも呼ばれる。 - チェーンソー
-
小型エンジンを用いた自動ノコギリ。
丸太を玉切りする作業に使う。電動式とガソリン・エンジン式がる。 - チムニー
-
広義には煙突を指すが、屋外に出た煙突を囲むようにつくられた建物の部分を指すことも。
煙内の保護とともに外観上のデザインとしての役割もある。 - 着火材
-
着火時に使う火つけ剤。
容易に火がつけられる。薪ストーブ専用のものを使いたい。 - 鋳鉄
-
鋳者用の鉄鉄。
薪ストーブの材質としてもっとも一般的。
鋳型に流すため、凹凸のある美しい細部と重量感が特徴で、クラシックな雰囲気に。熱しにくく冷めにくいため柔らかな輻射熱が得られる。 - 低温変化
-
ストーブや煙突の表面からの輻射熱が、長い時間をかけて木材の表面を炭化させていく現象。
炉台や煙突の屋根や壁との接合部の断熱対策などが不十分だと起こる。 - ドラフト
-
煙突内での煙の引き込み。
薪が燃焼することで上昇気流が生じて煙が吸気される。スムーズな排煙の重要な要素。 - トリベット
-
ストーブトップの上に鍋やケトルを置く際に使う、温度調節のための鋳物製の鍋敷き。
- ナタ
-
短い柄のついた幅の広い刃物。
薪づくりの際に枝を払い落としたり、薪を細かく裂くのに便利。 - 慣らし焚き
-
薪ストーブの設置後やシーズンはじめに、低めの温度から徐々に温度を上げてストーブを熱に慣れさせること。
数回繰り返し行うことがポイント。ストーブを長持ちさせるためにもぜひ行いたい。 - 二次燃焼
-
一次燃焼では燃焼しきらなかったガスを再度燃やすこと。
通常、火室を分離して二次燃焼室を設け、再度空気を注入して燃焼をより完全なものに近づける。
この二次燃焼の効率を上げるためにコンバスターなどの触媒装置が使われる物と、二次燃焼室に空気を送り込むことにより燃焼を促す方式の大きく分けて二つの方法がある。
燃焼効率を高め、燃焼によって発生する廃棄物量を減らし、排煙の中の不純物を燃やし環境汚染を最小限に抑えるシステムである。
エネルギーを節約する優れたシステムだ! - 二重煙突
-
煙突の筒が二重になっており、層の間には空気や断熱材が入っている。断熱性に優れ、煙突内壁への結露も大幅に減らしてくれるので、ぜひ設置を薦めたい。
- 熱効率
-
一定量の燃料で、一定の空間をどれだけの時間でどれくらい暖められる能力があるかということ。
熱効率の向上のために、各ストーブはさまざま工夫を凝らしている。 - 燃焼能力
-
薪が一定時間で燃焼する割合。
燃焼効率ともいう。
- 灰
-
薪の燃焼後に残るもの。
火種が潜んでいることもあるので処理は完全に冷えたことを確認してから。土壌をアルカリ性にする肥料としても優れている。 - 灰受け
-
灰が床などにこぼれないよう、ローディングドアの前にせり出した部分。
- 灰取りバケット
-
燃焼後に残った灰を入れておく不燃性の容器。
- バキュームスタック
-
煙突の上部に設置する装置。
煙の吸い上げを強めるとともに、風の侵入防止の機能がある。 - バックドラフト
-
煙突内で煙が逆流すること。
バックドラフトを起こさないように煙突を施工することが大事。 - バッフル
-
火室内の燃焼ガスの流れを調節する仕切り板。炎返しともいう。
- ヒートシールド
-
薪ストーブの輻射熱から壁や床を守るために、ストーブの背面や底面に取り付けられた部品。
- ビルトインタイプ
-
壁に埋め込んだタイプの薪ストーブ。
暖炉のような重厚感のある雰囲気に。煙突は外壁や間切り壁と一体化する。 - ファイアースクリーン
-
暖炉や暖炉式薪ストーブなど、直接炎が見えるタイプに用いる火の粉を防ぐための金網のスクリーン。
- ファイアーツール
-
薪ストーブや暖炉で使う補助道具。
一般に、火掻き棒、火ばさみ、灰とりブラシ、スコップなどがセットになったもののことを指すことが多い。ファイアーフィッティングともいう。 - ファイアーボックス
-
薪を燃やすための炉。
薪ストーブでは火室、燃焼室ともいう。この広さが暖房能力の一要因ともなる。燃焼効率を上げるために一次燃焼室、二次燃焼室と炉に分けているタイプのストーブも多い。 - ふいご
-
火を起こすために風を送る手動の器具。
- 複合式
-
薪ストーブを構造面からみた分類のひとつで、輻射式と対流式を併用したもの。
- 輻射式
-
薪ストーブを構造面からみた分類のひとつ。
ファイアーボックスを囲む鋳鉄やセラミックをまず熱し、そこから発する輻射熱で暖をとる構造になっている。熱効率がよい。 - 輻射熱
-
遠赤外線の熱線によって直接伝わる熱のこと。
太陽の自然な暖かさも輻射熱。薪ストーブの熱が体に柔らかいのは輻射熱によるところが大きい。 - フラッシング
-
煙突と屋根の接合面のパーツで、雨の侵入を防ぐ役割をする。
- フランクリンストーブ
-
アメリカのベンジャミン・フランクリンが1742年に発明したストーブ。
壁つき暖炉の熱効率を飛躍的に高めるとともに、現在の薪ストーブの原型ともなった。 - フリースタンディングタイプ
-
下部が炉台と接した自立式の薪ストーブ。
基本的に煙突の一部が室内に露出する。 - 分解燃焼
-
薪が燃焼しているときの状態。
熱分解により可燃ガスを発生し、空気中の酸素と反応して炎を上げて燃えている状態。 - ホットプレート
-
クッキングストーブのテーブル状の部分に設置された熱源。
上に鍋やケトルなどを置いて熱を利用する。火室からの位置により火力が異なることで火加減を調節する。
- 薪
-
薪ストーブと暖炉の燃料となる木材。
丸太の状態から適度な大きさにカットし、乾燥させたものが薪となる。一般に広葉樹が適している。 - 薪小屋
-
薪を保管しておく小屋。
乾燥を促すために底部と側面に風が通るようにし、雨や雪を除けるための屋根を付ければ申し分ない。 - 薪ストーブ
-
薪ストーブとは、薪の燃焼によって生じた熱を、暖房として効率よく使う仕組みがあり、主に鋳物、鉄板で造られて入る物が多い。暖房方式には大きく分けて(輻射式)(対流式)(複合式)(開放式)がある。
- 薪割り
-
薪の原木を丸太の状態から薪ストーブで使えるように長さ・太さを調節しつつカットすること。
- 薪割り機
-
薪を割る機械。
玉切りした丸太を機械にセットすれば、レバーの調節ひとつで割ることができる。大量の薪でもスピーディにつくれる。ガソリン・エンジンを登載した油圧式のものが多い。 - マントルピース
-
暖炉の上の棚の部分。
この部分のデザインが部屋のデザインが部屋のインテリアに与えるインパクトは大きい。
クラシックなものからシンプルなものまで、そのデザインはさまざま。
- 屋根だし
-
煙突の施工の種類で、煙突を室内から屋根へ直接出す方法。
- 横引き
-
煙突の設置で、煙突が床と水平になっている部分。
こうした部分が長いほど煙を引き上げる力が弱まり燃焼効率が下がる。 - 余剰空気
-
薪ストーブ内で燃焼には使用されない空気。
あまり多いと燃焼の妨げとなるのでj空気量の調節が必要となる。
- 炉
- ローディングドア
-
ストーブの前面や側面の扉。
着火や薪をくべるときに開閉する。 - 炉囲い
-
暖炉の炉周囲の壁のこと。
- ログキャリー
-
かさばる薪を効率よく運ぶためのバッグ。
トートバッグタイプや、中央に薪を置いて両サイドからくるむようにするタイプなどがある。 - 炉台
-
薪ストーブを設置する台。
壁際に設置する場合は、壁に沿って立ち上げた壁面までを併せていう。炉台は不燃材にすることはもちろん、薪ストーブの重量を考慮して下の基礎をしっかりつくっておくことも重要。 - 炉棚
-
マントルピース
- ワイヤーブラシ
-
煙突掃除の際に使うワイヤー製のブラシ。
煙突のクランクにも対応できるよう、やわらかく長い柄が付いている。煙突の口径に合わせたサイズのものを使うのがポイント。